こんにちは、連久実子です。
今回は、GA4では探索レポートのみで使用可能な「セグメント」の設定条件についての検証です。
セグメントは、ユニバーサルアナリティクス版でも「ユーザーをフィルタ」「セッションのフィルタ」といったスコープ別の設定ができましたが、GA4ではさらに選べるスコープが増え、「同じイベント内」「同じセッション内」「全セッション」の3つのスコープ別に設定ができるようになりました。
これに加えてセグメントで設定可能なディメンションも、GA4では「ユーザーの最初の参照元/メディア」「セッションの参照元/メディア」と、スコープの異なる「参照元/メディア」2種類が設定できるようになっています。(イベントスコープのディメンションである「参照元/メディア」は設定できません)
そこで、セグメントの条件スコープ3種類と「参照元/メディア」関連ディメンション2種類をかけあわせて設定した場合、抽出されるデータがどう変わるかについて検証してみました。
2023年11月01日追記:
抽出された数値についての考察を一部更新しました。
検証用データ
2つの端末を用意し、それぞれ以下のような手順でアクセスをしました。
その結果、セグメントを設定していない状態ではGA4にて下記のようにアクセスが計測されました。
このデータに対して、セグメントの条件スコープ3種類と「参照元/メディア」関連ディメンション2種類をそれぞれ組み合わせて、どのページへのアクセスがセグメントの条件に当てはまるかを検証していきます。
セグメントの条件スコープ「全セッション」・ディメンション「ユーザーの最初の参照元/メディア」
上の条件でセグメントをかけた場合、下記のようにAページ・Bページのみがデータとして抽出されました。
Aページ・Bページは、first_visitイベントが発火した時の参照元/メディアが「rabit/mail」なので、この結果は納得です。
セグメントの条件スコープ「同じセッション内」・ディメンション「ユーザーの最初の参照元/メディア」
上の条件でセグメントをかけた場合、下記のようにCページ・Dページ・Eページがデータとして抽出されました。
Cページ・Dページ・Eページは、first_visitイベントが発火した時の参照元/メディアが「cat/mail」なので、この結果も納得です。
セグメントの条件スコープ「同じイベント内」・ディメンション「ユーザーの最初の参照元/メディア」
上の条件でセグメントをかけた場合、下記のようにAページ・Bページのみがデータとして抽出されました。
これも上2つの条件の時と同じで、予想通りの結果です。
「ユーザーの最初の参照元/メディア」でセグメントの条件を指定した場合は、セグメントの条件スコープのどれを選んでもfirst_visitイベントが発火した時の参照元/メディアの条件が一致するアクセスのみ抽出されると考えられます。
セグメントの条件スコープ「全セッション」・ディメンション「セッションの参照元/メディア」
上の条件でセグメントをかけた場合、下記のようにCページ・Dページ・Eページがデータとして抽出されました。
セグメントではなくディメンションとしてセッションの参照元/メディアを設定すると、下のようにCページは「rabit/mail」ではなく「cat/mail」と計測されます。
これは一番最近のセッションの参照元/メディアが「rabit/mail」のユーザーのすべてのアクセスが抽出されている可能性が高いと考えられます。
セグメントの条件スコープ「同じセッション内」・ディメンション「セッションの参照元/メディア」
上の条件でセグメントをかけた場合、下記のようにAページ・Dページ・Eページがデータとして抽出されました。
セッションの参照元/メディアはセッションごとの流入元を表すディメンションですので、この結果も納得です。
セグメントの条件スコープ「同じイベント内」・ディメンション「セッションの参照元/メディア」
上の条件でセグメントをかけた場合、下記のようにAページ・Dページ・Eページがデータとして抽出されました。
これも「同じセッション内」の時と同じで、予想通りの結果です。
まとめ
この検証を行う前は、セグメントの条件スコープ「全セッション」・ディメンション「セッションの参照元/メディア」を設定した場合は、一度でもセッションの参照元/メディアが設定条件を満たしたセッションがあるユーザーのアクセスはすべて抽出(つまりA〜E全てのページが抽出)されるのではないかと予想していたのですが、全く異なる結果に驚きました。セグメントにて、セッションスコープディメンションと「全セッション」の組み合わせをする場合は、予期しない条件でデータが抽出されるので注意が必要そうです。
上記の要な場合になぜ結果のようなデータが抽出されるか予測できた方は、この記事のコメントやX(Twitter)にリプライでご連絡いただけると嬉しいです。
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