いつからオススメの参考書を渡すだけでWebマーケターが育つと錯覚していた

いつからオススメの参考書を渡すだけでWebマーケターが育つと錯覚していた Web Marketing
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こんにちは、連久実子です。

この記事は『いちばんいやらしいWebマーケティングの教科書 Advent Calendar 2022』15日目の記事になります。主催者の永井さん、このイベントを知るきっかけとなったイシイさんに心より感謝申し上げます。

いちばんいやらしいWebマーケティングの教科書のカレンダー | Advent Calendar 2022 - Qiita
いちばんいやらしいWebマーケティングの教科書のカレンダーページです。

自分の勉強に手いっぱいでWebマーケター育成なんて興味ないよと思われてしまうと寂しいので、某漫画のセリフをもじった、ちょっといやらしいタイトルを付けてみました。(「いやらしいWebマーケティング」だけに…)

が、決して「参考書は役に立たない」と言いたかった訳ではありません
現に私自身も新しいツールや知識を習得する際は参考書を購入しますし、セミナーや、様々な専門分野の方々が書かれた記事を読ませていただくことで、Webマーケティング施策を考える上でのヒントを得ることが出来ています。

一方でWebマーケティングに注力していこうと考えられている現場では、「部下に参考書を渡したけど勉強する気配がない」「社内セミナーを開いたがセミナーの内容が活かされている感じがしない」など、Webマーケター育成に苦戦されている声も耳にします。

ですので、今回はWebマーケター育成に苦戦されている現場において、スタッフが自ら率先してWebマーケティングを学習する環境を作るためのヒントをお話しようと思います。

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自主学習を続けてもらうには「つらい、けど楽しい」経験が必要

私はクライアント様のWebマーケティング支援を行う傍ら、とあるオンラインスクールのWebマーケティングコースの講師をしておりまして、2022年12月現在、6年半の間に専任として272人(質問対応だけであれば恐らくその倍)の育成に携わっています。

このオンラインスクールの生徒さんとお話する中で、ここ最近特に増えたのが『◯ヶ月勉強すれば完璧にWebマーケティングをマスターできる(その後は勉強しなくてもOK)』と思っている生徒さんです。

検索エンジンのアルゴリズムは変わるし、Webマーケティングツールにも次々に新しい機能が追加されるから、ずっと学習を続けなければならないというのは現役Webマーケターであれば当たり前の事実です。
が、これは世間一般にはあまり認知されていないようで、これを伝えると高確率でモチベーションが下がった顔をされます…
だからといってこの事実を伝えないまま卒業させてしまうと、現実と理想とのギャップでWebマーケター職への転職も難しいでしょうし、万が一転職できてもWebマーケターを続けていくのが辛くなることが予想されます。
ですので、私は初回の面談で必ず、卒業後も継続的な学習が必要であることを伝えています。

そこで課題となるのが『落ちたモチベーションをどう復活させ、継続させるか』です。

最初は「エンタメ性の高い学習コンテンツがあれば、モチベーションが維持できるかな」と考え、WebマーケティングをテーマにしたYoutube動画や漫画を探し生徒さんに紹介してみました。しかし、モチベーションが上がったように感じられるケースがほとんどありませんでした。
よくよく考えてみれば確かに、エンタメ性の高い学習コンテンツは、Webマーケティングとは何ぞやという事を知ってもらうきっかけとしては有効ですが、飽きてしまいやすくもあるんですよね。簡単に得られる情報というのは、簡単に手放されやすいです。

そんなこんなで次の手がないかと探している時に、生徒さんとこんな会話をしました。

むらじ
むらじ
難しい課題ですよね。ただ、ここで苦労して身につけていただいた知識はしっかり定着しますし、将来仕様が変わっても応用していきやすくなりますので、頑張ってくださいね!
生徒さん
生徒さん
その通りですね!これまで苦労した課題の知識は結構覚えているので、この課題も全力でがんばります。

この生徒さん、モチベーションが下がりがちな難易度高めの課題なのに、高いモチベーションで挑まれていました。

恐らく、課題に取り組まれる中で、苦労して合格したという経験を積み重ねられたことで、課題に取り組むという「つらい」経験の先に合格の達成感という「楽しさ」があることを理解されたから、もっと「楽しさ」を味わいたいと難易度高めの課題にも果敢に挑まれたのではないかと思います。
Googleアナリティクスの設定に例えるなら、なかなか思い通りにイベントトラッキングが計測できない時の試行錯誤の「つらさ」と、イベントが計測できた時の達成感による「楽しさ」を知ってしまったが故、もっとスキルアップしたいという気持ちが生まれる感覚と同じなのではないでしょうか。

この会話を経て、生徒さん自身が手を動かして苦労してもらう事と、その先で達成感を感じてもらう事が、自主学習を続けてもらうには必要なんじゃないかと考え始めました。

自主的に手を動かして苦労してもらうための働きかけ方

まずは生徒さん自身が手を動かして苦労してもらわなければなりませんが、相手はWebマーケティングについては右も左も分からない状態。ましてやモチベーションも下がっているので、なかなか最初から自主的に学習を進めてはくれません。
ですので、最初の頃は私から下記のような働きかけをします。

相手を理解する

私が所属するオンラインスクールでは、ビデオチャットでの面談を通して定期的に学習サポートをしていくのですが、初回の面談で必ずこれまでの職歴や現在従事されている業務等、生徒さんを取り巻く環境について詳しく伺っています。

というのも、生徒さんから見れば素性のわからない人間に「学習のサポートをします」言われても、本当に頼って大丈夫なのか不安に思われがちです。ですので、例えば相手がデザイナーなら「〇〇さんデザイナーなんですね、私の父もDTPのデザイナーなんですよ」という風に、相手との共通点をふまえて自己紹介する事で親近感を感じてもらい、不安による壁を取り払います。(お父さん、デザイナーやっててくれてありがとう)

初回だけでなく学習途中の面談でも、今取り組まれているプロジェクトのお悩みを伺ってWebマーケティングを活用した解決方法を紹介したり、最近広告を見て購入したものを伺ってそれがどの広告でどういう設定をしていたかをお話をしたりしています。

これによって、Webマーケティングを「難しい、堅苦しい」ものというイメージから「身近な」ものというメージにすり替えることで、生徒さんに「自分でも出来そう」と思ってもらえるよう努めています。

見本を見せる

「自分でも出来そう」と思えても、最初は完成見本がないとどこから手を動かせばよいか分かりません。

例えば私の所属するオンラインスクールには分析レポートを作る課題があるのですが、課題に取り組んでもらう前に、このブログで設定しているGA4のレポートを見本としてご覧頂きます。またこれに加えて、このブログを運営している目的と、レポートの結果から今後どういう改善が必要なのかについてもお話します。

見本とその作成意図を伝える事で、大まかな手順を把握していただき、他サイトのWebマーケティング施策を立案する際もどこから手を動かせばよいかをイメージしやすいように努めています。

雑談する

生徒さんの集中力が切れていそうだなと感じる時は、カリキュラムや課題の解説をやめて、面談時間まるまる雑談タイムにすることもあります。と言っても、どんな話題でもOKという訳ではなく、カリキュラムや課題に関連したテーマで雑談をします。

例えばInstagram広告のアカウント設計課題を進めていた生徒さんとは、どういう時にInstagramで検索するかというテーマで雑談をしました。

こうして合否のない場面でざっくばらんに会話をする事が、生徒さん自らWebマーケティング施策のヒントを見つけていただくきっかけになったりもします。

具体的に褒める

課題に合格したり、紹介した資格に挑戦したり、学んだ知識を実務で活かせたというお話を聞いたら、すかさずそれを褒めます。

ポイントは、どういう行動が良いと感じたかをしっかり伝えてあげることです。ただ「すごいですね」「頑張りましたね」だけだと生徒さんは何が良かったのかが分からないのですが、具体的に何が良かったのかを伝えてあげる事で、何を繰り返して頑張ればいいかを理解していただきます。

ちなみに私は未だにInstagramをうまく活用できないのですが、先程書いたInstagram検索についての雑談で、生徒さんから「ごはん屋さんを探す時、まずInstagramで映えるお店を探してからGoogleMAPでお店の場所を調べます」という話を聞きました。その時思わず「そういう使い方あるんだ!しっかり使いこなしている人の活用方法ですね、私が勉強になりました」と褒めたところ、生徒さんは「ホントですか笑」と言いながら自信がついた顔をされていました。

 

上記の点を意識しながら学習サポートをしていると、7割5分の確率で、ある日突然、宿題として課した範囲の先まで生徒さん自ら学習を進めてくれます。そうしたら、まずは自らチャレンジされた事を褒めます。

そしてこのタイミング以降に参考サイトやオススメの参考書などを紹介すると、意欲的にどんどん知識を吸収していってくれます。

ひとつひとつは簡単な事ですが、教える側に気持ちの余裕がないとおざなりになってしまいますので、ご自身もこまめなリフレッシュを心がけていただくと良いと思います。

そうして卒業されていった生徒さんから、先日こんなコメントを頂きました。

連さんが毎回の課題説明に実務経験を交えてお話してくださることを楽しみにしていました。
転職のご相談にも乗っていただいたおかげで自分に適した企業選びをすることができていると思います。転職に成功したらご報告させてください。
素晴らしい先生で感謝いたします!
仕事で忙しい時など、メンタリング今日は無理かも…と思っても先生に会わなければと思い頑張れました。本当にありがとうございました。

こんなに褒めてもらったら、もっとしっかり学習サポートができるよう勉強に励まなければと思わされます。
生徒さんのモチベーションを上げようとした結果、それが回り回って自分自身のモチベーションの上昇にもつながるのでした。

最後に:Webマーケター育成に時間をかけるのが難しい場合は

「そうは言っても自分の仕事もあるし、そこまで部下の育成に時間はかけられないよ」という方もいると思いますが、社員育成に社内のリソースが割けない時こそ、ぜひオンラインスクールを活用してください

私の発言が所属するオンラインスクールの発言として捉えられてしまうのが嫌なので、私はどのオンラインスクールに所属しているかを公開していません。
しかし、もし私の所属しているオンラインスクールにご興味をもっていただけたのなら、お問い合わせより「むらじの所属しているオンラインスクールに興味があります」とご連絡いただければ幸いです。

クライアント様のWebマーケティング支援を行う立場としても、クライアント様のご担当がWebマーケティングの知識をもっていらっしゃる方が数段スムーズにやり取りができ、成果を出しやすくなりますので、多くの方にWebマーケティングを学んでいただけたら嬉しいです。

 


Webマーケティングと同じく正解のないものを教える美術の先生が沢山出てくる漫画です。
本屋で気になり1巻を購入したその日に、Kindleで全巻購入してしまいました…メンタルどん底のタイミングで読むのがオススメ。

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